• テキストサイズ

君に届くまで

第47章 政府の企み



「ねぇ、なんかあったの?」



我慢できなくなった乱が思い切ってレンの隣に座った。
だが、返事は返ってこない。レンはぼーっと外を見ながら無反応だ。

乱は少しムッとすると、

「わっ!!!」

と、レンの耳元で大声を出す。
レンはそれに驚き、耳を塞いで乱とは反対側へ倒れ込んだ。

「…びっくりした。」

レンは、大声の主を仰ぎ見て驚く。

「話しかけたのに無視するレンがいけないんだよ。」

乱は腰に手を当て、怒っていることを表した。

「すみません。どうしようか、考えていたので。」

「どうしようかって、何を?」

「う〜ん。最悪はここを脱出しようかと…。」

「え…?」

乱はレンの突飛な発言に固まってしまうが、レンはそれに気づかない。

「けど、結界が張られて外には行けないし。隠れる建物も洞窟もないし。この中だと打つ手無いな、と思いまして。」



「「「ちょっとまった!!!」」」



彼等は口を揃えて叫ぶ。

「何がどうしてそうなった!!」

「脱出ってどういうことだい!?」

鶴丸と燭台切がレンの肩を揺さぶる。

「いたいいたいいたい…!」

鶴丸に左側を揺すられたものだから、傷に響いてしまう。

「あ、悪い。いや、そんなことよりどういうことだ!?」

鶴丸は、勢いのままレンに詰め寄る。

「そんなことよりって…。まぁ、いいですけど。意味はそのままです。」

「結界って言ったよね?」

燭台切もレンに目線を合わせて尋ねる。
/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp