第47章 政府の企み
「ねぇ、なんかあったの?」
我慢できなくなった乱が思い切ってレンの隣に座った。
だが、返事は返ってこない。レンはぼーっと外を見ながら無反応だ。
乱は少しムッとすると、
「わっ!!!」
と、レンの耳元で大声を出す。
レンはそれに驚き、耳を塞いで乱とは反対側へ倒れ込んだ。
「…びっくりした。」
レンは、大声の主を仰ぎ見て驚く。
「話しかけたのに無視するレンがいけないんだよ。」
乱は腰に手を当て、怒っていることを表した。
「すみません。どうしようか、考えていたので。」
「どうしようかって、何を?」
「う〜ん。最悪はここを脱出しようかと…。」
「え…?」
乱はレンの突飛な発言に固まってしまうが、レンはそれに気づかない。
「けど、結界が張られて外には行けないし。隠れる建物も洞窟もないし。この中だと打つ手無いな、と思いまして。」
「「「ちょっとまった!!!」」」
彼等は口を揃えて叫ぶ。
「何がどうしてそうなった!!」
「脱出ってどういうことだい!?」
鶴丸と燭台切がレンの肩を揺さぶる。
「いたいいたいいたい…!」
鶴丸に左側を揺すられたものだから、傷に響いてしまう。
「あ、悪い。いや、そんなことよりどういうことだ!?」
鶴丸は、勢いのままレンに詰め寄る。
「そんなことよりって…。まぁ、いいですけど。意味はそのままです。」
「結界って言ったよね?」
燭台切もレンに目線を合わせて尋ねる。