第47章 政府の企み
「すみません、墓穴掘ったかもしれません。」
「何が?」
「簡易転移装置を持っていることを言ってしまいました。」
そのことか、と加州は肩を竦める。
「いいよ。それよりこれを見つけたことの方がお手柄だよ。」
「よくわかったな。」
薬研が聞くと、
「音がしたって言ってたな。」
大倶利伽羅が代わりに答えた。
「はい。キーンという耳障りな音がしました。原因はこれだと思います。」
そう言って、蜘蛛の残骸を指差す。
「じゃあ、その音を頼りに他を探してみる?」
大和守が提案する。
「まあ、常に近くにいるなら探せますけど。たぶんもう近づいては来ないと思いますよ。」
「でも、常に見張られてるみたいで居心地悪いよね。」
乱は嫌そうに言い、彼等は揃って頷いた。