第47章 政府の企み
ーー五稜郭にてーー
「ご報告致します。」
江藤は、上司の部屋を訪れ、昨日掴んだ情報の報告をする。
「最初の侵入時の経路ですが、やはりあの者達は簡易転移装置を持っているようです。」
「やはりか。」
「はい。おそらくは加州清光が持っているものと思われます。」
「取り上げられるか?」
「今は難しいかと。広間周辺を探しましたが、反応がありませんでした。おそらく、肌身離さず持っているのではないでしょうか。」
「…忌々しい。あれさえ取り上げてしまえば、強行手段も取れるだろうに。」
「引き続きこちらでも捜索は続けます。奥脇様は工事の進捗をお急ぎください。それとあの女、やはり妙な妖術を使いますので、腕に覚えのある選りすぐりの者を集めておいた方がよろしいかと。」
「わかっておる。」
「では、これから現場に参りますので、失礼致します。」
江藤は奥脇に一礼すると部屋を出て行った。