第47章 政府の企み
2、3日経つと、工事予定の場所に木の杭が打ち付けられて、ロープが張られた。
「では、本日はこれで下がらせて頂きます。」
江藤はそう言うと、転移装置から帰っていく。
それを見送り、レンは後ろを振り返る。
すると、がさりと音がして隠れていた刀剣達が姿を見せた。
「行った?」
大和守が注意深く辺りを見回しながらレンに聞く。
「はい。では、試してみますか。」
レンはそう言うと、印を組み影分身を4体出す。
影分身は灯籠にそれぞれ1人ずつ立つと、水晶に触れチャクラを流す。
政府が行き来している今なら、転移装置が作動するんじゃないか、という話になったのだ。
「反応、ありませんね。」
「ダメか…。」
薬研が呟き肩を落とす。
「何だろうね。まるでここに閉じ込められてるみたいだ。」
「まだ何かやるつもりなのかな。」
大和守と乱はそう言って眉を顰めた。
「奴等にとって、転移装置を封鎖する利点って何なんでしょう?」
レンは腕を組んで考える。
「また、現代に行かれたら困るから?」
「だとすると、簡易転移装置を持っているのに取り返さないのは何故なんでしょう?」
「それは奴らが、俺らが持っているのを知らないからじゃない?」
加州は解せない様子でレンに返す。
「本当に、そうなんでしょうか?」
「態と持たせたままにしてるってこと?」
乱が問いかけるも、レンは首を捻る。
「何とも言えません。でも何か引っかかるんですよ。その何かがわからなくて、モヤモヤするんです。」