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君に届くまで

第47章 政府の企み



「まぁ、数に限りはあるけど、その内政府から遠征の指令とか来るんじゃない?そしたらそれなりに給金貰えるよ。」

「…いや、政府を当てにするの止めましょうよ。」

「う…。」

大和守の言葉にレンは反論し、尤もな答えに彼は言葉を詰まらせる。

「じゃあ、働きに出るんなら俺が行くから。」

加州は何とかレンを止めようと、苦し紛れに代案を出す。

「…働いたことあるんですか?」

「…ない。」

レンの問いかけに加州は視線を逸らして答えた。
はぁ、とレンはため息をつく。

「現実的じゃないですね。」

「でも、ダメだって。もしレンに何かあったら俺達だって困るし。」

「なんなら畑の作物増やすとかしてみようよ。ね。」

加州と大和守は何とか諦めてほしくて、言い募る。
レンはそれを見て、このままでは平行線だと、話し合いを放棄した。

レンは突然その場に座ると、両手を畳に突き、綺麗に三つ指を立てた。

「「え…?」」

2人の中に嫌な予感が走る。

「加州様。何卒、転移装置をお貸しください!」

レンは迷うことなくすっと頭を下げた。

「あんたにはプライドがないのか!!」

思わず加州は怒鳴る。
審神者が刀剣に土下座なんてあるまじき行為だ。

「ありません。私は自分の身を守る為なら何でもします。」

レンはすっと身を起こすと、何の衒いもなく宣う。

「いっそ、清々しいね。ここだけ切り取って聞いたら何処のクズかと思うよ。」

大和守は遠い目をする。
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