第46章 新たな主
「こんのバカ娘!!!」
開口一番、加州はレンを怒鳴りつける。
「そうだよ!あれ程相談してって言ったのに!!」
頭上で大和守も怒りを露にする。
レンは寝起きということもあり、言われた言葉の意味が飲み込めない。
「レン!!聞いてるの!!?」
「…はい。」
「俺達に言うことあるよね!!?」
「…ごめんなさい…?」
「また疑問系かよ。」
太鼓鐘が笑いながら言う。
「ほんっっと!心配したんだからね!!」
加州はそう言って右肩をバシン!叩いたものだから堪らない。
「いっったい…!」
その振動が傷口に響いて、痛みを巻き起こす。
「その位にしてあげて。」
見かねた燭台切がやんわりと止めに入る。
「おはよう、レンちゃん。気分はどうだい?」
「…痛くて痛くてたまりません。薬がほしいです。」
「はは、そうだろうね。じゃあ、お粥作ってあげるから薬飲もうか。」
燭台切はそう言って、何処かへ立ち去った。
「全く、はらはらさせてくれるぜ。あん時はお前に裏切られたかと思ったぞ。」
太鼓鐘が苦笑しながらレンに言った。
レンは何の話をしているかピンと来ない。
「国会議事堂のことだよ。大将、分身と入れ替わったろ?」
薬研が笑いながら言う。
レンは漸く合点がいった。
「あー…。すみません。私も想定外だったもので。」
ーそうか、そう言えばそうだった。
影分身のお陰で記憶の誤差があまり無いから忘れてた。