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君に届くまで

第46章 新たな主


意識が戻り始め、はっとして目を開ける。
見慣れた天井が目に入った。どうやら広間に寝かされているらしい。

何とも不思議な夢を見た。リヨク以外の夢を見るのは何年ぶりだろう。随分と昔過ぎて覚えていない。
妙に気になる夢だった。
あの青年は誰なのだろう。顔はよく見えなかったが、綺麗な薄緑の髪をしていた。

ふと、左側の手が重く動かせないことに気づく。
首を持ち上げて原因を確かめると、ふわふわの毛玉が乗っていて、上側が規則正しく上下に動いている。

「こんのすけか…。」

首を下ろして、今度はぐるりと右に向ける。
すると広間の入り口に乱、加州、大和守、鶴丸が見えた。
何かしているのはわかるが、何をしているのかは皆目検討がつかない。

ーまぁ、いいか…。

それにしても左胸部が派手に痛い。
手当してもらった様で、包帯が巻かれている感覚がある。
これ以上悪化することは無いだろう、と思うと取り敢えずは一安心だ。
だが、下手に動こうものなら引き攣れる様な、生肉が擦れる様な、何とも言えない痛みが全身に広がる。
レンは、内心呻きながらげんなりした。

と、突然にゅっと視界に小夜が現れ、パチリと目が合う。

「…主、…起きた。」


「「「「え!!?」」」」


小夜の声は小さかったにも関わらず、その場にいた殆どの者が一斉に反応する。

どたどたどた!という地鳴りのような足音を響かせながら、刀剣達はレンを囲む様に集まった。
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