第46章 新たな主
「わたくしが知っているのは以上です。」
「また無茶をしたもんだな、このお転婆は。」
鶴丸が困ったように笑った。
「それ聞いたら怒るに怒れないよね。」
燭台切も鶴丸のように笑った。
「いや、俺は怒ってる。相談してって言ったのに!」
加州は憤懣やる方無いといった様相で、相当ご立腹だ。
「清光程じゃないけど僕も怒ってる。起きたら絶対わからせてやる。」
大和守も加州の隣で腕を組む。
「まぁ、拳骨一発くらいは喰らわしてもいいかな。」
薬研は冗談混じりに笑った。
「ボク達も、これからもっともっと強くならなきゃね。このお転婆さんを守るためにもさっ。」
乱は、眠るレンの髪を撫でながら穏やかに笑う。
大倶利伽羅は、ふっと静かに笑みを零した。
「だな。ここまで体張ってくれたんなら俺達も応えなきゃな。」
太鼓鐘が戯けたように言った言葉に、彼等は心の中で肯定する。
強くなろう。
頼ってもらえるように。
大事なものを守りぬけるように。
秋にしては珍しく、暖かく優しい風が広間を吹き抜けていった。