第45章 突入
「ここって…。」
「本丸…?」
「おかえりなさいませ!皆様が居らず、わたくし達はとても不安にございました!」
彼等はお付きの鳴狐の熱烈な歓迎によって出迎えられた。
「何故かわたくし達だけ渡れず仕舞いでして、政府が家探しにくるわ、心細いわで大変でございました。しかし、皆様ご無事で戻られて一安心でございます!」
「あ、ありがとう…。」
一番手前にいた加州が、呆然としながらお礼を言う。
「ど、どうなってるの?レンは?」
乱が不安そうに問うも、それに答えられる者は誰もいない。
その時、燭台切の隣に光の粒子が現れた。
それはやがて人影となり、実態を結ぶ。
レンとこんのすけだった。
「き…、きもち…わる…い…。」
いきなり現れたかと思いきや、白目を剥いてそのままひっくり返ってしまう。今度は消えることはなかった。
「レンちゃん?レン!!」
燭台切は慌てて抱き起すも気を失ったままだ。
「…おそらくは神気の使い過ぎによるものかと。」
こんのすけは困った様に耳を垂れさせながら、レンの現状を伝える。
「こんのすけ、一体どういうことだい?」
「怪我をされているので急ぎ手当をした方が良いかと思います。それからお話しいたしましょう。」
それを聞いて、彼等は慌ててレンを広間に運ぶのだった。