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君に届くまで

第45章 突入


薬研、大和守が長谷部を、
江雪、小夜が鶯丸を、
大倶利伽羅、太鼓鐘が髭切を、
燭台切、加州が太郎太刀を、
五虎退、乱、厚が骨喰を、
鶴丸が山姥切長義を、それぞれ迎え撃つ。

「よぉ、長谷部。昔のよしみだからって手加減しねぇぜ。」

「それはこちらの台詞だ。」

「油断してると首落としちゃうからね。」

鍔迫り合いの合間に互いを挑発し合う。




「引いてほしいのですがね…。」

「無理だよ、兄さん。」

「そうだな。俺は戦いにおいて引くことはない。」

「…ならば本気でいきます。」

江雪は躊躇いなく刀を振り下ろし、鶯丸は余裕でそれを受ける。小夜は鶯丸の隙を狙っては死角からの攻撃を試みる。




「引いてほしいんだけどなぁ。大人しく投降してくれない?」

「聞けない相談だなぁ。」

「…素直に聞くくらいなら始めからこの様な騒ぎは起こさないでしょう。」

髭切のゆるい提案に太鼓鐘は笑って拒否を示し、太郎太刀が髭切の隣で呆れた様に彼を見やる。

「そういうことだ。悪いが道を開けてもらう。」

大倶利伽羅は刀を構えると、素早い動きで重い一撃を髭切に仕掛ける。

「貞ちゃんの言う通り、聞けない相談なんだよ。僕達は是が非でも押し通る。」

大倶利伽羅に続いて、燭台切も重い一撃を太郎太刀に仕掛けた。




「…兄さん。道を開けてください。」

「…俺はお前の兄であって、兄ではない。」

五虎退の言葉に骨喰は眉を顰める。

「俺達はここでは死ねない。」

「絶対にみんなで帰る!」

五虎退達は覚悟を決めて、一斉にかかった。




「中々、骨のある奴等だな。大人しく投降する気はないか。」

山姥切は彼等を見回して言う。

「俺達は政府を信じない。断固拒否する。」

鶴丸は皮肉気に笑うとすらりと刀を抜き、素早い動作で斬りかかる。
しかし、山姥切は太刀筋を正確に見極めて受け止めてしまう。
鶴丸は面白くなさそうに顔を顰めた。

「受け止めるとはな。やるじゃないか。」

「それなりに鍛えてるからな。」

山姥切はニヤリと笑った。
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