第45章 突入
「…焼き討ちにしただけでは飽き足らず、怪我で身動きがままならない刀剣は、その場で時間遡行軍に変えられていました。他ならぬ、政府の者によって。」
「刀剣が時間遡行軍に変えられただと!?」
「バカな!あり得ない!」
「いいえ。この目で見ました。」
レンがはっきりと証言するも議員達は全く信じようとはしない。
「馬鹿を言うな!!そんな事ある訳ないだろう!?」
「そうだそうだ!!いい加減な事を言うな!!テロリストめ!!」
レンは、もう少し話が通る展開を予想していただけにがっかりした。
あまりの馬鹿さ加減に疲れてしまう。話にならない。
論より証拠、と言う事だろうか。
時間遡行軍は切り札として取っておきたかったが、そうも言っていられなくなった。
レンが大倶利伽羅を見ると、彼は一つ頷いた。
「焼き討ちにしたのはあなた方人間です。殺し合いをさせたのもあなた方です。訳がわからない、とは随分な言いようですね。」
「お前達はここがどこかわかっているのか!?ありもしない妄想を聞いてほしいなら病院にでも行って来ればいいじゃないか!」
議員の一人がそう言って高笑いすると、他の議員達も野次を飛ばしながらどっと笑う。
あまりの言いようにレンは眉を顰めた。
「証拠が無ければ信じられませんか。」
時間遡行軍の氷漬けを曝け出す。
ひっ!という悲鳴がちらほら上がる。
「これは本丸に焼き討ちにした時間遡行軍の一人です。」
「そんなもの、見せて何になるんだ。」
手前にいたの男が恐る恐る、怒鳴る。
「証拠をお見せします。いいですか?」
周囲はどよめき、野次が止まる。
制止する者は誰もいない。
レンは時間遡行軍の頭を鷲掴み、ゆっくりチャクラを流し始めた。
暫くすると、その中に影が現れる。