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君に届くまで

第45章 突入



「何なんだ、君達は!!」

近くにいた議員が怒鳴る。
レンがそちらを見やると、怒りの形相をした議員と、恐々議員とレンを交互に見る他の議員達が取り巻いている。
レンはその者に向き直ると、正面から見据えた。

「私達は本丸の”抹消申請書”と” 新規建設申請書”の撤回を要求しに来ました。」

「何だ、それは。」

議員達は怪訝な顔をする。何の事を言われているのか、わからないらしい。

「本丸の”抹消申請書”と” 新規建設申請書”の撤回です。知らないことないですよね?あなた方が申請したんですから。」

「何の事だ!?」

白を切るつもりなのだろうか。
だが、それにしては様子がおかしい。

「…その申請が受理されれば、問答無用で私達は消される事になります。」

「そんな申請があるものか!」

レンはの言葉に、その議員は知らぬ存ぜぬを言い張るばかりだ。

ここで、彼女の中で違和感が生まれる。
この者達にとって、”抹消申請書”と” 新規建設申請書”は命運を分ける重要なものではないのだろうか。
”抹消申請書”と” 新規建設申請書”の撤回要求は、即ち先日のこんのすけ奪還や本丸焼き討ちに繋がるキーワードになる筈なのだが…。
頼みの綱であるこんのすけは眠ってしまっている。

「…審神者や刀剣を統括している人は誰ですか?」

「それを知ってどうするんだ?」

「一番はその人に聞いてもらいたいからですよ。誰ですか?」

「…今日は不在だ。」

不在ときたか。とんだ計算違いだ。

「どうする?レン。」

加州が後ろから問いかける。

「…ここまで来た以上止めるわけにもいきません。どこまで話が通るかわかりませんが、やり続ける他に道はありません。」

レンは加州を振り返り、彼の問いに答える。
加州はふっと笑みを零す。

「わかった。」

加州は一つ頷くと、レンはまた前に向き直る。
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