第45章 突入
レンと燭台切は議員達を退けて中央部へと合流する。
「大丈夫。このフロアの出入り口は封鎖出来てるよ。」
乱が一拍遅れて、息を切らせて戻ってきた。
「2階があるようですが。」
2階は観覧席になっているようだった。1階と2階を繋ぐ階段は無い。
この騒ぎで、殆どの者が逃げたのだろう。片手で数えるくらいしか人が残っていないようだ。それも隠れながらこちらを伺う始末で、攻撃してくる気配がない。
ただ、隠れている者の側にある、黒い機械が気になる。
「あれ、何ですか?」
レンが黒い機械を見ながら問うと、近くにいた燭台切がレンの視線の先を追う。
「あぁ、あれテレビカメラだよ。あれで、日本中に映像を流すんだ。」
「あれがそうですか。ならほっといても大丈夫そうですね。」
「そうだね。寧ろあれがあった方が、レンちゃんにとっては好都合だね。」
「そうですね。」