第45章 突入
レンが勢いよくドアを開けると、ドアの周辺にいた議員達が驚いた様に振り向いた。
レンは彼等を中へ促すと、入ってきたドアを氷華縛で封鎖した。
彼等は手前にあった通路の階段を駆け下り、中央へと向かう。
「な、なんだ!?君達は!!」
突然の乱入者にどよめきが広がり、議会が止まる。
レンは横の通路を駆け抜け、他の出入り口がないか探す。
「何だこれは…!?ドアが開かないぞ!?」
逃げようとしたのか、衛視に知らせようとしたのか、議員の一人がドアに手をかけるも全てのドアが開かない。
「冷たい…!」
しかも、数秒ドアノブを握っただけで、手が焼けそうになる程冷たい。
「レン!あったぞ!」
レンが声のする方を見ると、前方に抜刀した鶴丸がドアに立ち塞がり、脱走を阻止していた。
レンは壁を伝って鶴丸の後ろに回り込むと、素早くドアを封鎖する。
「ありがとうございます。他にありますか?」
「あそこだ。」
鶴丸の指さす方向を振り向くと、対角線上に燭台切が見えた。人集りに囲まれている。
あそこまで辿り着くには、壁を走った方が早そうだ。
レンは飛び乗るように壁に足を付けると、周囲から騒めきが起こる。
凄い速さで走り出すと、他の議員達もレンを見ては目を見開いて驚いていた。
レンは鶴丸と同じように、抜刀して牽制している燭台切の背後に回り込むと素早く封鎖する。
「これで粗方封鎖出来ましたかね。」
「人の流れが無いから、たぶん出入り口は封鎖出来てるんじゃないかな。」
燭台切が後退る議員達を見回して確かめた。