第44章 制圧
「うわっ!」
「くそ!」
千本はレンの狙い通り、数本ずつ警備員の利き手、或いは両手に刺さり、銃を取り落とす者もいた。
「もう立っていいですよ。」
冷たく警備員達を見ながら、レンは彼等を促す。
「…言ってよ。降伏するのかと思ったじゃん。」
「敵に手の内を晒す奴がありますか。」
大和守が不満気に言うのを、レンは呆れて見やる。
「ほら、それよりも武器を取り上げないと。後が面倒ですよ。
いいですか?あくまで私達は”殺さず”を貫きますよ。間違っても刃の方は使わないでくださいね。」
「言われずとも。」
「承知。」
鶴丸、江雪が抜刀し、残りの面々もそれに続く。
「それじゃ、各個撃破と行きますか!」
「「「応!!」」」
薬研の掛け声に、彼等の応答が重なり合って返ってきた。
「お願いします。」
レンの言葉を合図に彼等は走り出す。