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君に届くまで

第44章 制圧


「行きますよ。」

そう言うと、レンは凄い速さで駆け出し、手前にいた警備員をあっという間に手刀で沈めてしまう。

「すっげ〜…。」

太鼓鐘は思わず感嘆の声を漏らした。

「感心してる場合じゃないぞ!走れ!置いてかれるな!」

鶴丸はレンの後を追うように駆け出す。
それに続くように皆で、玉転がしの要領で時間遡行軍を転がしながら一気に駆け抜ける。
正門を警備する者は皆、気を失い倒れている。

「ホントに誰も敵わないんだね…。」

「人間かと疑いたくなるよな…。」

乱の呟きに薬研が答え、一同は頷いた。
レンは正面玄関の警備員を1人残らず沈めると、ちらりと此方を振り返り、刀剣達が追いついたのを確認する。
そして固く閉ざされた門の前に立ち、静かに構えを取ると一気に掌底を打ち込んだ。
ドカン!という爆発音のような大きな音を響かせながら、分厚い扉が鍵が掛かったまま、壁から抉られるようにして奥へ倒れてしまった。

「ウソ…。」

「破ってしまいましたね…。」

大和守とこんのすけは呆然と呟いた。

「意外に頑丈ですね。」

飄々とした様子のレンの姿に、若干薄ら寒いものを感じつつ、彼等も中へと入っていく。
やはり中は蜂の巣を突いたような大騒ぎになっている。

「止まれ!!」

「そこに伏せろ!!」

警備員が集まりだし、レン達を囲んで銃を構える。
銃と刀では刀が不利だ。

「みなさん、伏せてください。」

「え!?降伏するの!?」

大和守が驚愕の面持ちでレンに詰め寄る。

「いいから、伏せてください。」

そう言って、自らしゃがみ込んでしまう。
刀剣達はレンに倣い、1人、2人と渋々しゃがみ込んだ。

全員しゃがみ込んだのを見ると警備員が包囲網を狭めるべく、じりじりと動き出す。
レンは近くの警備員達を全て確認すると急に立ち上がり、氷千本を放った。
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