第44章 制圧
門には入り口から警備が敷かれ、物々しい雰囲気が漂う。
「かなり厳しい警備ですね。武器も携帯しているようですし。」
レンは警備の配置を見ると、そう呟いた。
「国の要人が集まる会だからね。」
「それより、入れそうなの?これ。」
燭台切がレンに返答し、大和守が眉を顰める。
「問題ありません。」
「どうするの?」
無理でしょう、という意味を込めて大和守が尋ねるも、レンの様子は常と変わらない。
「正面突破しかないでしょう。」
「本当にやるのか?」
大倶利伽羅は怪訝な面持ちで念押しする。
「見取図もなく、大体の配置しか知らないんじゃ忍び込むのは至難の技ですよ。ただでさえ、道を歩くだけで浮いているし。」
隠密行動どころではないです、とレンはぼやく。
「確かに。絶対振り向かれるよね。」
「加州が服を買ったってのも頷ける。」
乱と厚は居心地悪そうに周囲を見回した。
他の者も同様に、周囲と自分達のあまりの違いに居心地悪そうだ。
「打ち合わせ通りに。私が正面入り口の突破口を開きますから、入り口までの大通りは全力で走ってください。」
「時間遡行軍は?」
レンの指示に加州が問う。
「勿論、持ってきてください。」
「…やっぱり?」
「だいぶ大人しくなりましたし、大丈夫でしょ?」
確かに氷のせいなのか、捕まえたばかりの頃と比べるとだいぶ大人しい。