第44章 制圧
「三分の一程度、といったところですかね。これで大技は打てません。」
それでもまだ三分の一は残っているのか、と加州は恐れ入る。
「取り敢えず、俺達も行こう。あっちは大人数だから、凄い目立ってる筈だよ。」
「そうですね。急ぎましょう。」
レンは加州と手を繋ぎ、簡易転移装置を起動させる。光に包まれ、視界が真っ白になると、次の瞬間には現代へ移動していた。
「レンちゃん!」
先に移動していた面々がレンに駆け寄る。
それを遠目に、行き交う人々がちらちらと視線を寄越す。
これだけ目立つと、乗り込みは時間との勝負になりそうだ。
「とにかく、今は急ぎましょう。通報されると警備が固くなってしまいます。」
彼等は一様に頷くと、一路国会議事堂を目指す。