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君に届くまで

第43章 束の間の休息


「それでも行きたい。抹消されるとしても、黙って消されるのは嫌だ。レンが言うように、体面に傷付けてからがいい。それを自分の手でやりたいんだ。」

加州は悔しげに握った拳を見ながら言う。
その脳裏には今までの様々な事が駆け巡っていた。

「そうだね。付喪神だって意思はある、怒りを抱えてるってことを知らしめてやりたいね。」

後に燭台切が続く。
自分達の無念はまだ晴れてはいない、とばかりに強気に言う。

「こんな面白そうなことを逃すなんてどうかしてる。どうせだったら派手に奴等を驚かせたいものだな。」

「そうだぜ!派手にかましてやろうぜ!!」

鶴丸と太鼓鐘が楽し気に続いた。

「勿論、俺も乗るぜ。」

「「「ぼくも!」」」

薬研が便乗し、それに乱、五虎退、小夜が続く。

「みんな、おんなじ気持ちってことだ!」

厚の言葉に彼等は一様に頷く。

「みんな行くのはいいですが…。」

レンは、微妙な顔つきで彼等を見渡した。
問題は人数制限だ。

「そうか、6人までって言ったね。」

燭台切がこんのすけの言葉を思い出して言う。

「前に、大人数で使用する時に使うって言ってませんでしたっけ?」

レンは思い出しながら燭台切に尋ねると、代わりにこんのすけが答える。

「神気の消費の問題です。おそらくは、あちらからであれば、転送に使うだけの霊力を人数分集めることが出来たので、大人数で来れたのでしょう。しかし、平均的にみると、人間1人につき6人転送するのが目安で御座います。それ以上は体調を崩される可能性があるかと。」

それを聞いて、レンはふむふむと考える。
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