第43章 束の間の休息
手に汗握りながら、レンの次の言葉を待っていると、
「次の質問といきましょうか。」
レンはあっさり話を切り替え、ほっと胸を撫で下ろす。
「私達は先日、時間遡行軍の残党を捕まえて、浄化しました。そしたら不思議なことに刀剣男士になったんですよ。これってどういうことですか?」
この質問に、こんのすけは瞠目する。
「時間遡行軍を…、浄化…?」
「政府はいつからこのことを知っているんですか?」
こんのすけは、あまりに驚き過ぎて言葉が続かない。
時間遡行軍を浄化だなんて、前代未聞だ。
「答えられませんか。けれど、これだけは嫌でも答えてもらいます。」
レンの瞳に剣呑な光が宿るのを見て、こんのすけは息を呑んだ。
そして、これがこの人の本題なのだと確信する。
「…お答え致します。申し訳ありません。あまりに驚いたものですから、つい。
確かにおっしゃる通り、時間遡行軍の正体は刀剣男士であるものもおりますが、全てではありません。」
「何故、時間遡行軍の正体が刀剣だと隠すのですか?」
「わかりません。時間遡行軍がいるから刀剣が存在するのか、刀剣が禍ツ神に堕ちると時間遡行軍になるのか。政府も本当のところはわかっていないのです。」
「それは、鴉にも繋がるからですか?」
「ど、どこでその名前を…。」
「あなたを奪還する際に、出会して名前を知りました。何故、奴は刀剣を時間遡行軍に変えられるのですか?」
こんのすけは、何から何まで驚きっぱなしである。
人間が鴉に対峙して生きて帰ってくるなどあり得ない。
それに鴉が刀剣を時間遡行軍に変えることも知っているなんて。
これは何が何でも、政府はレンを、この本丸を消しにかかるだろう。
情報を漏らさない為に…。