第43章 束の間の休息
「何からお話し致しましょう。」
随分と素直だな、とレンは思う。
もっと抵抗されると思っただけに拍子抜けだ。
だがまぁ、余計な手間は省けた。
「そうですね…。先ずはあなたの今の立ち位置から。あなたは政府に今尚従属しますか?」
こんのすけはこの質問を受け、目を見開いた。
そして、俯き黙ってしまう。
「答えられませんか?なら次の…」
「いいえ。お答え致します。この命はあなた方にお助けいただいたもの。ならばわたくしはあなた方に報いらなければなりません。」
こんのすけは、レンの言葉を遮り、自身の思いを打ち明ける。
「…私は管狐です。管狐とは、人と契約をし、人に使役される妖です。契約をすれば、その”家”に使役されます。契約をした以上、逆らうことは出来ません。」
「誰と契約をしたのですか?」
「時の政府と契約しております。今や政府全体で百余りの管狐を管轄していることでしょう。時の政府に生み出され、決して人に逆らわないこと、本丸の要となることを誓約しております。」
「本丸の要、ってどういうこと?」
大和守が口を挟む。
「文字通り要です。コア、或いは核、と言ったら理解しやすいでしょうか?」
「…要であるあなたは、この本丸においての役目は何ですか?核であることはわかりましたが、いまいちピンときません。」
レンが問うと、こんのすけは少し言い淀みながらも話していく。