第41章 こんのすけの奪還
「太極図がありました。また補助具が使えるかもしれません。」
そう言って首飾りを結界に当てる様に差し出す。
すると、バチバチ!と派手に音を立てながら押し戻される感覚があった。
レンは、構うことなく更に押し返す。
すると電撃音が消え、外側の幕が弾け飛ぶ。
「やった!」
加州は歓声を上げる。
レンは更に首飾りを押し込み、次の結界を壊しにかかる。
バチバチ!という、電撃音がしていたと思ったら、次の瞬間、バリパリン!という音がして、首飾りの水晶が粉々に崩れ落ちた。
「…ダメでしたね。」
レンは中央部が空洞になった首飾りを眺めた。
「どうするの!?壊れちゃったよ!」
加州は焦り、両手で頭を抱える。
「仕方ない。強硬手段です。」
レンは首飾りと筒を加州に預けると、両手を氷で包み、結界に押し当てる。
それでも、電撃が痛みと共に全身に広がり、レンは顔を歪める。彼女は、体内でありったけのチャクラを練り、自身を守りながら両手を押し込んだ。
「レン…。」
加州は呆然と見守ることしか出来ない。
バチバチ!と電撃音が部屋に響き、稲妻が迸る。
レンの額に汗が流れ落ちた。
「レン、もうその辺で…」
加州は見ていられずレンを止めようとした時、結界が弾け飛び、方陣が消え失せた。