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君に届くまで

第6章 帰り道を探して


それから、お風呂に案内され、簡単に使い方を教わると、久々の湯船を堪能する。
傷は染みたが体は綺麗さっぱりして気持ちがいい。

そして、大広間で燭台切に傷の手当てを手伝ってもらい床に着く。

「では、この本丸をよろしくお願いいたします。」

こんのすけはそう言うと、またポンと消えてしまった。

ーまだ受けるとは言ってないんだけどな…。
 まぁ、居候だと考えればいいのか…?

レンは微妙な顔をしつつこんのすけの消えた辺りを見ながら考えていると、

「とりあえず、傷が治ってから考えるといいよ。
今日はおやすみ。」

燭台切が笑いながら言って、広間から出て行った。









レンは障子を大きく開けて、布団に入りながらぼーっと外を眺めていた。
時折、小鳥の囀る声が聞こえる。

今朝、燭台切が訪れて食事に誘ってくれた。熱が下がるまでは特別に朝、昼、晩とお粥を作ってくれるらしい。
お言葉に甘えていただくことにした。
その代わりに、しっかり休むよう釘を刺されてしまったが。

しかし、暇だ。
1日中何もする事が無い日なんてあっただろうか。
記憶にある限り初めての経験だ。
こうも何もする事が無いと落ち着かない。

それから2日程は大人しく布団の中に入っていた。
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