第40章 再び現代へ
「もうすぐそこなんですけどね…。」
レンはぼんやり方陣を眺める。
五芒星、か…。
最近似た様なものを見たような…。
そこまで考えてハッとする。
レンは、こんのすけから貰った首飾りを取り出した。
「これ、似てませんか?」
「え、何これ?」
「こんのすけから、手入れをする際に、と補助具を貰ったんです。」
加州はレンの横から覗き込む。
「六芒星?だよね。」
「ろくぼうせい?」
「そう。三角と逆三角が重なった星形を六芒星って言うんだ。節子さんがよく使ってた図形なんだよね。」
「へぇ、そうなんですか。」
レンはもう一度首飾りを見る。
「これ、使えないですかね?」
「どうやって?」
「取り敢えず当ててみる、とか?」
そう言って、首飾りを壁に当てた。
すると、壁そのものが透明になっていき、やがて完全に無くなる。
その奥には開き戸があった。
「解けたね…。」
加州は呟き、レンを見る。彼女もまた加州を見て、2人は小さく頷き合った。