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君に届くまで

第40章 再び現代へ


「これ、五芒星?」

「そうみたいですね。」

レンは星形の真ん中に手を当てて解術を試みるも、何の変化もない。

「やっぱり幻術?」

「いや、封印術の類じゃないですか?他の文字や線の意味は理解できませんが。」

「これ、どうやって解くの?」

「さっぱりわかりません。私の術は、方陣の入り口にチャクラを流して解術するのが殆どです。中には術者じゃないと解術できなかったりしますが、だいたいは誰でも解術出来ます。」

「これには、その入り口が無いの?」

「どこが入り口なのかわからないですね。案外、方陣に傷が付くと効力が弱まる、なんて事もあり得そうですが…。」

レンは印を組むと、氷の千本を数本出し、方陣に傷を入れはじめる。

「削れませんね…。硬いわけでは無いと思うんですが、歯が立たないですね。」

「俺にもやらせて。」

加州はレンから氷を受け取る。

「冷た!レンよくこんな冷たいのずっと持っていられるね。」

「そうですか?」

加州も方陣を削ろうと試みるもやはり削れない。わずかな隙間も入る気配が無いのだ。

「…いっそのこと、槍で一気に突き破りますか。」

レンは氷柱槍を1本出す。

「うん、やめようか。大惨事になるよ。一発アウトだよ。」

加州は顔色を悪くする。

「…冗談ですよ。」

「…半分本気だったよね?」

レンはすっと視線を逸らす。
加州はその様子を見て思わず頭を抱えた。
レンは氷柱槍を消すと困った様に前髪をくしゃりと掻き上げた。
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