第40章 再び現代へ
「…よし、困った時の影分身!」
ボフンと音がして、煙の中からもう1人のレンが現れる。
「いい案出して?」
レンは影分身に問うも、逆に鼻で笑われる。
「切羽詰まるとよくやるけど、コレ意味ないからな。自分で自分に相談するってどうなんだ?」
捨て台詞を吐いて、階段を登って行ってしまう。
「どこにいくの?」
加州が尋ねると、一言
「見張りです。」
と言って、ドアの向こうへ消えてしまった。
「…小馬鹿にされてたね。」
「…今日はハズレでした。」
加州がそっと聞くと、レンは眉顰めて舌打ちをした。
「たまに当たりを引くんですよ。そういう時は、いい流れを持って来てくれるんですけどね。」
レンと加州は、また互いを見ると、はぁ…と大きなため息を零した。