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君に届くまで

第40章 再び現代へ


この部屋は応接室のようになっていた。
重厚なカーテンがインテリアのようにふんわりたばねられ、大きな窓からは眩しい陽の光が差して、部屋を暖めていた。
皮張りの黒いソファーが4つ並べられてガラス製の机が中央に設置されている。
床にはふかふかする絨毯が敷かれていて、如何にも高級そうだ。部屋の隅には対角線上に2つ、複数掛けの皮張りの黒いソファーが置かれている。

「この部屋は何も無さそうですね。次に行きましょうか。」

レンは調度品を眺めることもなく、淡々とそう言って、影分身を出すと、部屋に残す。
ドアが閉まると同時にカチャンと音がして施錠された。

「…便利だね、影分身って。」

「そうですね。習得が割と簡単ですから、使い方は多岐に渡りますね。」

「レンは何歳でこの技覚えたの?」

「何歳だったかな…。忘れましたね。10歳より前だと思いますが…。」

「ホントに子供の頃から忍者やってたんだね。」

加州はレンの過去を思い出し、複雑な気持ちになる。

「レンはさ、忍者になったこと後悔したこととか、恨んだことって、ないの?」

加州は何となく聞いてみたくなった。
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