第40章 再び現代へ
2階と3階を一通り見たが、それらしい所は何処にも無かった。
「こんのすけがいるのは本当にここなんでしょうか?」
「時の政府がいるのはここで間違いないと思う。ただ、こんのすけがここにいるかは、確証はないんだよね…。」
この建物は、殆どが事務所になっているのだ。
間仕切りがされていて、入り口は広く取り、人の出入りも頻繁だ。閉塞的な所は何処にも見受けられない。
人がいない部屋はあるが、そこは会議室の様な所で、審神者に関係するとは思えない。
「他に思い当たりそうな場所はありますか?」
「ごめん、審神者に関係する場所はここしか思い当たらない…。」
加州は申し訳なさそうに答える。
「そうですか。謝る必要はありませんよ。」
レンは暫し考え込む。
「…そうですね。1階をもう一度見てみましょうか。」
「でも、立ち入り禁止エリアばっかりだったよ。」
「そこを錠破り出来ないか試してみましょう。」
「え!?」
加州は思わず大きな声を上げてしまい、慌てて周りを見回す。
「声が大きいです。」
レンは少し焦り気味に加州に詰め寄る。
「ごめん、でも、だって…!錠破りなんて言うから、つい…。」
「そこまで驚くことでもないでしょう?偵察なんだから、鍵がかかっていたなら開けなければ確かめられませんし。」
「いや、普通のことの様に言われても…。」
「行きましょうか。」
「聞いてないのね…。まぁいいよ、付き合う。」