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君に届くまで

第40章 再び現代へ


次は入り口だ。
回転式のドアが6つ並んでおり、右半分は入り口、左半分は出口になっている様だ。
前の人に倣って、1人ずつドアを押し抜ける。
中に入ると、巨大なフロアになっており、見上げると高い吹き抜けになっている。2階部分はバルコニーになっており、人が行き来し、ごった返しているのが見える。
エスカレーターを使って皆その奥に消えていくが、エスカレーターに辿り着くには、ずらりと並んだ改札口を通らなければならない。
ここも、右半分が入り口で、左半分が出口の様だ。
皆、手元にカードの様な何かを翳して通っている。人が通る度に緑のあかりが点灯する。

通行証を通しているのだろう。
だが一枚しかない。
通れるだろうか。

レンは、加州の右肘辺りの服を引っ張り、一先ず横に逸れるよう促し、端に寄る。

「あれ、通行証使ってますよね?」

「だと思う。」

「節子さんの時はどうしてたんですか?」

「確か、これ一枚だった気がするんだよね。」

その時は壁にセンサーが付いていて翳すタイプだった気がする、と加州は必死で記憶を手繰る。

「見ていると、1人につき1枚でないと通れない様に見えましたが…。」

「俺もそう思う…。」

2人は再び、改札口を振り返る。
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