第40章 再び現代へ
こんのすけがいる建物は、”東の五稜郭”と呼ばれる程、北海道にある五稜郭に似せて作られている。
本屋で少し見た限りだと、四方を壁で囲み、その内側は五点の星形を象った建物になっていて、その五点ヶ所には他とは違う塔の様な建物が建っている。
由来は五芒星、だそうだ。
五芒星とは、古来より魔除けとして使用されてきた図形で、五行思想と結びついていると言われている。
では、五行思想とは何か。それは自然哲学の思想で、万物は木、火、土、金、水の五種類の元素から成り立ち、循環する、と言われている。
そして、五芒星は一筆書きで描けることから、閉塞的で封鎖的であること。更に、交点が多い事で魔除けになるとのことで、使われている様だ。
これらの事から、建物内部に何らかの呪術が用いられている可能性もある。
こんのすけは、封印され、隠されている場合もあり得る。
ー1日で見つかればいいが。
人の流れに沿って歩いて行くと、大きな門が見えてきた。人の出入りが頻繁にある様だ。
門の両脇には小さな小屋のような建物があり、守衛が常駐している。
レン達は、守衛と目を合わせぬように前を向いて通り過ぎる。呼び止められる事なく入ることが出来た。
「第一関門は突破だね。」
「周囲に溶け込めている証拠ですね。」
加州とレンは、前を向いたまま小声で言葉を交わす。