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君に届くまで

第40章 再び現代へ


レンと加州は、昨日買ったスーツに着替える。
加州はビジネスバックに黒い布で包んだクナイを忍ばせる。
レンも小さめのネイビーブルーのビジネスバックを持つ。

レンは加州にバレッタを渡し、結ってもらう。
加州は手袋を嵌め、伊達眼鏡をかける。

それぞれビジネスシューズを履けば、変装完了だ。

「お〜。現代っぽく見える見える。」

薬研は頷いて感心する。

「動きづらいですがね。」

肩も腕も固定されてしまうのが、何とも気持ち悪い。

「よし、行ってこい!」

鶴丸は、2人の肩を叩きながら景気良く見送る。

レンは金で出来た簡易転移装置を鞄から取り出した。
初めてこれを渡された時は、何とも綺麗な物だと思ったものだ。
懐中時計の様なそれは、手にすっぽり収まる大きさで、中を開けると丸みを帯びた水晶の円盤が金の金具に嵌め込まれている。
中央部には太極図が刻まれていて、外側には時計の様に12の文字の様なものが刻まれている。
それが太めの金の飾り鎖で繋がれている。
ただの首飾りとして出しても一級品であろう。

レンは鎖を首にかけ、ワイシャツの中に隠す。

「行ってきます。」

レンは加州の手を握り、もう片方の手で簡易転移装置を持ち、チャクラを流す。

「行ってくる。」

加州も穏やかに微笑みながら挨拶を返す。

光が2人を包み込み、視界が真っ白になる。
次いで目を開けると、昨日初めに見た場所だった。

今度はじろじろ見られることはない。
人々はレン達を気にも止めず、忙しそうに通り過ぎていく。
レンは簡易転移装置をワイシャツの中に隠すと、加州を見上げる。

「行ける所まで行きますよ。」

「おう。どんとこい!」

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