• テキストサイズ

君に届くまで

第38章 現代から帰還


「だから、俺が行くの!」

「いや、俺が行く!」

「いや、俺だ!」

「だから、僕が行くんだってば!」

「ボクも行きたい!」

加州、鶴丸、太鼓鐘、大和守、乱が舌戦を繰り広げ、話はいつまで経っても平行線を辿る。

「まぁまぁ、落ち着いて。ここはレンちゃんに決めて…。あれ?」

見かねた燭台切が、本人に決めてもらおうとレンを探すも姿がない。

「大将は何処だ?」

薬研も気づいて探し出す。
すると、隅の柱の影に、毛布の塊が1つあるのが見えた。
側には着ていた服が畳んで置かれている。

燭台切と薬研は、まさかと思い近づいてみると、規則正しく上下に動いている。
次いで、そっと毛布を捲ってみると、すぅすぅと気持ち良さそうに眠るレンがいた。



「え!?レン着替えちゃったの!?」

「もっと見たかったのに。」

加州と大和守がレンを覗き込む。
燭台切と薬研は人差し指を口元に当てた。

「寝かせてやろう。」

薬研が笑いながら言う。

「あ〜、つまんないの。」

「もっとレンと遊びたかったのに。」

大和守と乱が口を尖らせる。

「じゃ、俺はレンの隣で寝る。」

切り替えの早い鶴丸は、さっさと毛布を用意し自分の席を確保する。

「あ、ずるい!」

出遅れたとばかりに皆がバタバタとし出す。

「俺が隣!」

「僕!」

「ボクだ!」

そこでも一悶着ありながらも、何とか就寝した。
/ 1263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp