第38章 現代から帰還
「何しに行ったんだ?」
大倶利伽羅は呆れた様にレンと加州を見た。
「僕も行きたかったな。レンとデートしたい!」
大和守が、きらきらと目を輝かせる。
「偵察に行ったはずなんですが、あれよあれよと横道に逸れてしまい…。」
「俺達の服装、まるで違うんだもん。すっごい悪目立ちして仕方なかったんだから。」
加州が頬を膨らます。
「それで服を調達に?」
燭台切は苦笑しながら尋ねる。
「そのついでに全身キレイにしちゃおうと思って。俺がレンの服、全部見繕ったんだよ。カワイイでしょ?」
加州は得意気に胸を張る。
「いいな〜。僕もレンの服選びたかった。」
大和守がしょんぼりとする。
「完全に物見遊山だな。」
「…面目ない。」
薬研の呟きにレンは頭を下げた。
「これは…スーツかい?」
袋の中身を改めていた燭台切が尋ねる。
「帰る前に、こんのすけがいるだろう建物を見てきたんです。そこには、この格好をした人が殆どだったので、中に入る時にはこの服が一番馴染みやすいと思い、買ってきました。」
レンはいつもの様に淡々と答える。
が、いつもと違うのはその見た目だ。
綺麗な子だとは思っていたが、よもやここまで化けるとは…。
燭台切は思わず、まじまじと見る。