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君に届くまで

第38章 現代から帰還


日が暮れて、辺りがすっかり暗くなる。

「遅いね…。」

「手こずってるのかな…。」

「政府に侵入なんて、前代未聞だものねぇ…。」

大和守、燭台切、乱はぽつりぽつりと呟く。
答えを返す者は誰もいない。

各々黙ったまま、レン達の帰りをじっと待つ。


不意に、広間の庭先が光り二つの人影が浮かび、待ちかねた面々は一斉に立ち上がり、人影に近づいた。
やがて光が消えると、現代服姿の加州と知らない女性が現れる。

「ただいまー。」

「ただいま帰りました。」



「「「「「誰!?」」」」」



刀剣達は驚き固まる。

「レンです。」

言われてみれば、声はレンだ。顔も何処となく似ている。
本人なのだから当たり前なのだが…。

それにしたって、服装から髪型まで何もかもが違うのはどういうことか。

「え、待って。どういうこと?」

乱は混乱して頭を抱える。

「まぁ、私も驚いていますが…。」

レンは遠い目をする。

「見違えるでしょ?俺もびっくりしたよ。」

加州は笑いながら経緯を説明する。
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