第37章 現代へ
加州はレンの服を見繕いながら、自分の服も選んでいく。
最終的に、抑えめのワイレッドのタートルネック、黒の細身シルエットのパンツ、ベージュのチェスターコートに革靴を店長と一緒にコーディネートした。
ついでに、革の手袋と薄いサングラスも見繕ってもらう。
「お兄さん、スタイルいいから何でも似合うね。」
「ありがとう。」
加州は満足げだ。
レンは、白の少しふんわりしたデザインニット、濃いベージュのワイドパンツ、白を基調とした黒のデザインが入ったチェスターコートに黒のフラットシューズを、加州が店長の手助けを借りてコーディネートする。
「どう?レン。」
加州が目を輝かせて聞いてみるも、
「いいと思います。」
淡々とした様子は変わらない。
加州はがっくり膝をつく。
「素材はいいんだけどなぁ。惜しいな。」
店長はぼそりと呟いた。
その後もあれやこれやと、レンに着せ替え人形よろしく様々な服を当てるが、暖簾に腕押しで手応えがない。
結局、最初にコーディネートした一式に決まり、加州はお会計を済ませる。
そして加州は、何事か店長とひそひそと話し込み、頷き合っていた。
ー随分と意気投合した様で…。
レンはぐったりしながらその様子を眺める。
「ありがとうございました〜。また来てね〜。」
店長は爽やかな笑顔で加州達を送り出す。
「さ、行こうか。」
加州は自分とレンの着替えた荷物を持ち、レンの手をしっかり握って、何処かへ歩き出す。
「…あの、どこへ?」
「行けばわかるよ。」
いい笑顔で答えた。
ー次は何をするつもりだ…。