第35章 禍ツ神の正体
「僕達に相談してって言ったじゃない!」
大和守がショックから立ち直り、レンに詰め寄る。
「相談…する程のことでもない気がするんですが…。」
レンにとっては、ちょっと行って帰ってくるだけつもりなのだが、彼女と彼等では感覚のズレがあることに気づかない。
「じゃあ、今から何をするつもりなのか言ってみてよ。」
「…こんのすけを連れ戻しに行きます。」
「その為に何処に行くの?」
「現代?という所ですか?」
「どういう所だか知ってるの?」
「知りはしませんが、忍び込んでこんのすけを連れてくるだけなのだから何とでもなると思います。」
「…十分、要相談事だと思うよ。」
ちょっと近所に行ってきます、的な感覚で言うレンに、大和守は頭を抱える。
「とりあえずは、落ち着いて大将の考えてる事を聞かせてくれ。」
薬研は苦笑いを浮かべて、レンを広間に連れ戻すべく、手を取った。