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君に届くまで

第35章 禍ツ神の正体


レンは脇差1体を背負い投げし、足を叩き壊す。

「氷遁、氷華縛。」

レンが術を発動させると、みるみると脇差が氷に包まれていく。

「鶴丸さん、そっちはどうですか?」

「どうもこうもあるか。ちょろちょろと逃げ回って敵わない。」

鶴丸は幾度となく刃を振り切るが、擦る程度で決定打にならない。

「代わります。これも捕獲したいので。」

そう言うと、レンはチャクラを練り、印を組む。彼女の右手から風が吹き出した。
鶴丸が脇差の斬撃を受け止めたところを見計らい、一直線に突っ込んでいく。態勢を低めに保ち、死角を狙う。

「風遁、風圧弾!」

脇差の体の中心部に掌底を打ち込むと、簡単に吹き飛び、焼け落ちた家屋に突っ込んだ。
あまりの勢いに家屋からは灰埃が舞う。

相変わらずの凄まじい戦闘力に鶴丸は唖然とする。

「助かりました。あのタイプは速くて、2体相手は手こずる所でした。」

鶴丸に声をかけると、レンは弾き飛ばした脇差を氷で包み捕獲する。

「よし、運びますよ。」



「「「どこへ持ってくつもりだ!!!」」」



彼等は堪らず突っ込んだ。

「え?どこへって…広間?」

「や〜め〜て〜!!時間遡行軍と一緒なんてヤダ!」

乱が悲鳴を上げる。

「だってマトモに残ってる家がそこしかないじゃないですか。」

「だからって何で広間!?そもそも何で捕まえたの!?」

大和守が真っ青な顔で問い詰める。

「チャクラで実験しようかと。」

レンは、少しうきうきした様子で答える。

「…せめて何をする気か、具体的に教えてくれないか。」

薬研は震える五虎退を宥めつつ頭を抱える。

「これにチャクラを流すと、どうなるのか知りたくて。元に戻るのか、或いはそのまま消えるのか。だって私のチャクラには浄化作用があるんですよね?」

その言葉に彼等は瞠目する。
レンだからこそ、思いつく事だった。
まさに目から鱗だ。

「凄い事を思いつくな、キミは。」

鶴丸は少し困った様に笑った。
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