第35章 禍ツ神の正体
「だから、悪かったって!」
「いや、だから、もうその話に触れないでください!喧嘩両成敗でいいですって!私も言いたい放題言ったんですから!」
鶴丸はレンを追いかけ回しながら謝り倒す。
半分は本気で謝ってるが、もう半分は嫌がらせに近い、悪戯心だろう。
何にせよ、レンが立ち直ってくれて、2人が仲直り出来て一安心だ。
鶴丸とレンを除く一同は、2人を放置して、先程の話を再開する。
「こんのすけって結局、レンをどうしたかったんだろう?」
「どうしたかった、ってどういうこと?」
加州の呟きに大和守が聞き返す。
「ほら、レンが言うことを纏めると、つまりこんのすけって、政府から命令されていないにも関わらず、勝手にレンを審神者に据えたことにならない?」
加州はレンの言葉を思い出しながら、纏めていく。
「そうか。それに、レンとそれに関わる痕跡を隠したがってたって言ってたもんね。」
「そう考えると、確かに疑問だね。」
乱と大和守が加州の言葉に頷く。
「政府の手先ってことは考えられないのか?」
厚の疑問に、事の一部始終を知る面々が首を横に振る。
「そうなると、何で政府からレンを隠したがったかが疑問なんだ。」
「そうですね。政府が視察に来た時点で、あの方を差し出してしまえば事は済みますから。」
太鼓鐘と江雪が厚の疑問に答える。
「じゃ、こんのすけって何が…ってこれ振り出しに戻ってるね。」
大和守の言葉に、一同は再び考え込んでしまう。
「レンちゃんは…ってまだやってるし…。」
燭台切は苦笑いで、レンの方を見る。
鶴丸にまだ追いかけ回されている。
「おい、お前ら。いい加減にじゃれてないで一緒に考えろ。」
大倶利伽羅が2人を止めに入る。
「じゃれてません。鶴丸さんが…」
「俺はじゃれている!」
レンは大倶利伽羅に不満を言おうと口を開くと、鶴丸は彼女の言葉を遮る様にいい笑顔で明言する。
「じゃれてるのかよ!」
レンは思わず突っ込み、疲れ果てて座り込んだ。