第33章 喧嘩
「あれ、ところでレンは?」
大和守はレンが部屋にいない事に気がつく。
「あれ?なんで?燭台切が一緒だったんじゃないの?」
加州は燭台切に尋ねる。
「…それがね、」
と、燭台切が先程のレンとのやり取りを皆に話して聞かせた。
「うーん…、燭台切は別に可笑しなこと言ってないと思う。」
「けど、大将は旦那の”らしくない”に反応したんだよな?確かに大将らしくないとは俺も思うが。」
乱と薬研は揃って首を傾げる。
「うん、そうだと思う。驚いてて、少し悲しそうだったんだ。」
燭台切も2人の言葉を受けて首を傾げた。
「驚いた、ってことは、怒ってた事に客観的に気がついたから?」
乱は考え考え纏めていく。
「悲しそうっていうのは?」
大和守は首を傾げる。
「うーん、仲間だと思ってたけど、仲間じゃないと思った…とかですか?」
五虎退が考え考え答えを出す。
「…どういうこと?」
小夜が首を捻る。
「うーん…、上手く言えないんですが…。
僕達と人間って、審神者になって初めて繋がるっていうか、絆が出来るっていうか…。それまでは本来交わらない関係でしょう?それに改めて気づいたのかな、と…。」
「感情的になったのは、大将に少なからず仲間意識があって、それを鶴の旦那に否定されたのが我慢ならなかった…ってことか?」
「それ、あり得るかもよ?」
薬研の推察に厚が賛同する。
「仲間だと思って接してたけど、本来仲間でも何でもなくて、そもそも自分に入り込む余地がない事だった。だから、ショックを受けたってことか?」
太鼓鐘が纏めていく。
「レンの視点から考えると、それが一番近いかもね。」
加州の言葉に皆が頷く。