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君に届くまで

第4章 自己紹介



「待って、俺さっきの聞きたい!さっきの二人になったやつ何!?」

「二人?あぁ、影分身ですか?」

「よく知らないけど、それ!」

「普通に忍術ですが…。」

「普通、なんだ…。」

赤目の青年は戸惑っている様だ。

「…普通、ですね。」

レンは思う…。
あれ?私がオカシイの?

「じ、じゃあ、どうやって屋根の上に…?」

戸惑いがちに、少し控えめに青目の少年はレンに問う。

「え…?」

今度はレンが戸惑う番だった。

ー忍術を見たことがないということなのか…?

どの街に行っても大体忍は居る。よって大体の人間が忍術を目にしたことがあるものだ。
見たことがないなんて、小さな子どもくらいなものだ。

「どうやってって…壁を伝って、そのまま屋根に…。」

「ロープも無しに?」

全体的に白い人が問う。

「ロープ?何に使うんですか?」

レンの受け答えに5人は一様に困惑を浮かべる。

「何に使うの、ときたか…。」

白い人は言葉を失った様子だった。

「なら、あんたはどうやってロープも無しに登ったんだ?」

肌の浅黒い人が問う。

ーまた、実践するのか?これ。
 まぁ、見た方が早いのか?

レンは近くの柱に足を付けるとそのまま地面を歩くようにすたすた登り始める。
屋根の上まで来ると、下を見下ろし答える。

「こうやって登りました。」

レンを見上げる顔は揃って口がぽかんと開いていた。
よく見ると、皆それぞれ整った顔をしているのに、今は可愛い間抜け面だ。

どうも、本当に忍術を知らないらしい。
見たことない地形といい、この反応といい…。最悪の可能性が過ぎる。

レンは、また飛び降りると、今度は質問をした。

「ここは火の国ですか?」


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