第31章 大和守安定の目覚め
レンは誰かに体を揺すられて薄ら目を開ける。
「ちょっとだけ起きれる?僕もう起きたから、この布団使ってよ。」
甘い顔立ちに大きな水色の目が特徴の可愛い子が顔を覗き込んでいる。
「…だれ?」
「覚えてない?安定だよ。」
加州もひょっこり顔を出す。
「あぁ、あなたが…。」
「そうそう、僕が大和守安定だよ。」
ってことは、男の子。女の子みたいだな。乱みたいにオシャレしたらさぞ可愛いだろうな。
「僕は女の子じゃない!!」
レンは目を瞬かせる。
「あれ?口に出てた?」
「全部出てた!!」
憤懣やる方なし、と言わんばかりの勢いで返事が返って来た。
「それはすみません…。」
レンは素直に謝る。
しかし、こんなに可愛くて間違いが起こらないものなんだろうか。男所帯だって聞いてるし。もしかして誰かと良い仲だったりして…。
「や、やめて…!そんな趣味ない!僕達をそんな目で見ないで…!」
大和守安定は涙目でレンを揺すり懇願する。
加州も顔が引き攣っている。
「あれ、また声にでてた?」
清光達は、うんうんと何度も頷く。
本格的にダメだな。休まなきゃ。おやすみなさい…。
結局、レンはそのまま意識を手放した。