第30章 帰還
日が中天に差し掛かる頃、漸くレンを背負った大倶利伽羅と加州、薬研、乱の姿が見えた。
「おい、着いたぞ。光忠達はどこだ。」
大倶利伽羅の問いかけにレンはのろのろと背から降りると、ふらふらとした足取りで歩いていく。
自分のチャクラを辿って空中に手を翳すと”解”と唱え、結界を解く。
同時に目の前に燭台切が立っていて、そのまま抱きしめられた。
「レンちゃん、無事だったんだね!」
男から思い切り抱きしめられると、痛いということを初めて知った。
だが、もがく元気がもう無い。
まぁ、いいかとそのまま意識を手放す。
「…え?」
様子がおかしい事に気が付いた燭台切がそっと腕を緩める。
「また寝ちゃったね。」
「ほんとに疲れてるんだね。」
「立ったまま寝れるなんて器用だな。」
加州、乱、薬研が笑いながら言った。