第26章 太鼓鐘の手入れ
「交代しますぞ。」
「僕も交代します。」
「ああ、頼む。」
「ありがとう。」
鳴狐と五虎退と薬研は、燭台切と大倶利伽羅に代わって、遠征に行った。
「まさか伽羅ちゃんが遠征を手伝ってくれるとは思わなかったな。」
燭台切は穏やかな様子で大倶利伽羅に話かけた。
「…貞を治してもらうんなら、俺も出るべきだと思っただけだ。」
「…ありがとう。手伝ってくれて。」
こんな時、家族っていいものだ、と燭台切は思う。
本当の家族ではないが、伊達家を主に持つ彼等は兄弟のような家族のような絆がある。
太鼓鐘はどれくらい治っただろうか。
2人は揃って部屋がある方角を見つめた。