第26章 太鼓鐘の手入れ
それから、2日かけて漸く江雪は手入れ完了となった。
「な、長かった。」
「お疲れ様。体調はどうだい?」
「1日、1日でいいから休ませてください…。」
レンはぐったりする。
「ははっ、神気を万全に整えてからで大丈夫だよ。」
燭台切はレンの様子を見て、可笑しそうに笑う。
「その間、また遠征お願いします。それと、ダメ元でお仲間さんに塗り薬試してみてください。」
「OK。やっとくよ。それじゃ、今日はお休み。」
「おやすみなさい。」
燭台切は部屋に戻り、明後日には太鼓鐘を治してもらえることを鶴丸と大倶利伽羅に話した。
「俺は反対だ!伽羅坊も反対だろう?」
鶴丸はどうしてもレンに太鼓鐘を預ける気になれず、大倶利伽羅に同意を求める。
「俺はもう反対はしない。光忠の好きにすればいいと思う。」
しかし、鶴丸の予想に反して大倶利伽羅は燭台切の味方をしたのだ。
「何でだ!!」
鶴丸は酷い裏切りに遭った気分だった。
「お前が目を回している間にあいつと少し話をした。あいつは俺達の境遇や刀剣の性を少なからず理解している。そしてそれを盾にはしないだろう。それが理由だ。」
「くそ!なら好きにすればいい!俺はどうなっても知らないからな!」
鶴丸は燭台切に背を向け、彼は苦笑する。
「うん、必ず治してもらうよ。」