第24章 みんなでご飯
「何の悪事を働いたんです?」
「大将、なんか犯罪でも犯したのか?」
「…違いますよ。悪事なんて働いてません。」
レンは皆が何を驚いたのか理解する。
この国では、ビンゴブックは悪事を働いた人が載るものなんだ、と。
「忍にはそもそも”勝手に抜けてはならない”という掟があります。私はその掟を破り、里を抜けました。
そういった者を”抜け忍”と呼びます。抜け忍には、捕らえて里に戻す”追い忍”がつきます。
追い忍で手に負えなければ、ビンゴブックに載るんです。」
「主様は強かったんですね。」
五虎退は目を輝かせた。
「運が良かったんです。たまたま生まれ故郷を見つけ、血継限界を開花させることができたので。」
「血継限界?」
「その一族のみに伝わる術のことです。
私が故郷を見つけることが出来たのは、これのお陰です。」
そう言って、レンは自身の額を見せる。
覗き込むと、薄らと雪の結晶のようなアザがあった。
「これは氷室一族に伝わる家紋のようなもので、このアザを持っている者は氷遁、氷が使えるんです。」
彼等は一様に感心したように耳を傾ける。
「氷を使うには水と風のチャクラを混ぜ合わせなければならず、かなり難しいとされています。それが出来るのは、元々資質を持っている者でなければ攻撃としては使い物になりません。」
「それができる大将は、資質があるってことか。
その術は誰に教わったんだ?」
「一族は全滅していたので残っていた資料から会得しました。」
彼等は一様に絶句する。
「だからでしょうね。里からは執拗に追い回されました。逃げることが優先でしたからね。旅を楽しむどころじゃないんですよ。」
レンは淡々と答えながら、炒飯を頬張った。