第23章 手入れ ーその2ー
「お前、光坊に対してもそんな風に思っているのか。」
「はっ、だったら何だって言うんですか。
その様子だと図星ですか。燭台切が羨ましいから嫌味を言いにきたわけですか。随分お暇なんですね。あー、違うな。女々しいのか。」
鶴丸の怒りは一気に頂点に上がる。
「言わせておけば、この小娘!」
鶴丸はレンに掴みかかるも、ひょいひょいっと逃げられる。
大倶利伽羅はその様子を呆れて見ていた。
「お前ら、いい加減にしろ。」
だが、怒り心頭の鶴丸の耳には入らない。
「やっぱり、お前なんかに貞坊を預けるもんか!」
レンはそれを聞いて首を傾げる。
「何の話です?」
「はっ!気になるか、聞きたいか?」
「あ、やっぱりいいです。聞きません。」
レンは面倒な匂いを嗅ぎつけ、即座に断りを入れると、尚も掴みかかろうとする鶴丸の足元を凍らせた。
鶴丸は堪らず、その場で盛大にひっくり返り、目を回す。
レンは、すかさず鶴丸の手足を拘束し猿轡をかけ、広間に転がした。
レンはやれやれ、と大きく息を吐く。
大倶利伽羅はあまりの早技に言葉が出ない。
レンは胡乱な視線を大倶利伽羅に投げる。
「で?あなた方は一体何しに来たのですか。」
レンは不機嫌を思いっきり全面に出し、問う。
大倶利伽羅は、疲れたような顔をしながらため息をついた。