第23章 手入れ ーその2ー
夕刻になり、チャクラ切れの為戻ってきたレンは、まだ縁側に座っている2人を見つける。
ーまさか、あれからずっと動かずにいたのだろうか…。
レンは、彼等をじっと見た。
「よぉ、今日はもう終わりか?」
レンに気づいた鶴丸が、こちらを向いた。
瞳に何処となく険があるように見えるのは気のせいか。
「…えぇ。チャクラが尽きたので、明日に持ち越しです。」
「随分ヤワなんだな。」
嫌味のつもりだろうか。
何故こんなつんけんされなければならないのか、彼女にはよくわからない。
「…そうですか?持久戦ですから、休む時には休むのが近道だと思いますので。」
レンが淡々と答えると、鶴丸は尚も食い下がる。
「もしかして、本気で治そうと思っていないんじゃないか?」
レンはいよいよ顔を顰めた。
「…一体何をしにきたのですか?私に用があるんですか?それとも燭台切ですか?」
レンはさっさと用件を済ませてしまおうと、畳み掛ける。
「…光坊がキミを慕っているみたいでな。様子を見にきたのさ。」
「なら本人から聞いたらどうですか?何でここにいるんですか?」
「キミを見定めようと思ってな。」
鶴丸は意地悪そうに笑う。
「そうですか。どうでもいいですが、あなたは私に関わらないと言っていたのにどういう風の吹き回しです?
それとも、審神者が気になりますか?」
「…どういう意味だ。」
鶴丸の顔つきが変わる。
「あなた方はどうも審神者に傾倒する傾向にあるみたいですからね。そんなに私と親しい燭台切が羨ましいですか?」
レンは態と嫌味たらしく鶴丸に言い放つ。
「何…。」
鶴丸はまんまとレンの挑発に乗ってしまう。