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君に届くまで

第22章 〜〜幕間2〜〜





燭台切が自身の本体である太刀を持ち、大広間に向かう途中、渡り廊下に立っている加州清光に会った。

「やあ。」

燭台切は立ち止まり声をかけた。
しかし、加州は黙ったまま燭台切を見つめている。
燭台切はどうしたのかと、首を傾げた。

「ねぇ…、太鼓鐘をあの人に治してもらうって、本気?」

聞いていたのか、と気づいた。

「うん…。あの子なら、大丈夫だと思ったから。
あの子は、僕達を粗末に扱わない。」

「どうして…?どうして、そう思えるの?」

加州は苦しげに問いかける。

「薬研君を治した時に聞いたんだ。審神者が何なのか分かったかって。あの子は何て答えたと思う?」

燭台切の問いかけに、加州は無言で先を促す。

「救護班みたいなものだろう、って言ったんだ。
あの子は僕達を”物”と見ていない。”人”として見ているんだ。
僕はそれを聞いて、この子は大丈夫って思えた。」

燭台切はその時の事を思い出しているのか、穏やかに微笑む。

「僕は、あの子に仲間を取り戻してもらう。」

そう言って、燭台切は去っていく。
加州はその背中を静かに見送った。
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