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君に届くまで

第84章 新たな拠点、新撰組



「で、近藤さん達は何の話をしてたんです?」

「互いの近況をな、擦り合わせてたんだよ。色々な齟齬があるとお互い困るだろ?」

「そうですね、誰かさんと違って近藤さんは優しいから、この子達の事が絶えず気にかかっちゃうかもしれませんしね。」

沖田は近藤ににっこりと笑いかけ、近藤は嬉しそうに沖田に笑い返す。
それを土方は渋い顔で見やった。

「お前…。ちっ、まぁいい。今後、例の男の捜索にはレンも組み入れる。それでいいな、レン。」

「はい、それでお願いします。」

「次に動く時は山崎についてもらう。後で紹介するからまた顔見せろ。」

「分かりました。」

「他の奴らは、俺達の隊のどれかに割り振らせてもらう。一緒に任務に当たれ。総司のとこにもつかせるぞ。」

「弱い奴は要らないですよ。」

沖田の言葉に、レンはムッとする。

「実力を見てから言ってくれませんか?」

「じゃあ、遠慮なく試させてもらうけどいいよね?」

「どうぞ。」

レンの言葉に、沖田はにんまりと笑む。

「じゃ、明日。楽しみにしてるね〜。」

沖田は用が済んだとばかりに、スパンっと派手に障子を開けてさっさと出ていってしまう。

「静かに出ていきやがれ!!」

土方は、すかさず沖田に怒鳴るも、最早声が届いているのかも定かではない。

―何しにきたのやら…。

レンは唖然と沖田を見送った。

「…いつもの事だから、気にするな…。」

「…はあ。」

土方の力ない言葉に、レンは呆れ顔を向けた。

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