第84章 新たな拠点、新撰組
暫く楽しんだ後、さて、と三日月は手元の湯呑みを置く。
「今日来たのは、ちと思いついたことがあってだな。」
彼の言葉に、なんだなんだと刀剣達は耳を傾ける。
「レンが過去に渡ってから3日経った訳だが…。」
三日月は言いながら、仲間達をざっと見渡す。
「そうだなぁ。レンのやつ、向こうで上手くやってるかなぁ。」
太鼓鐘は手を後ろ頭で組み、思いを馳せる。
「何せトラブルメーカーだからな。どうなっていることやら…。」
米神に指を当て渋い顔をする鶴丸を、鯰尾はからからと笑う。
「そこは無事かどうかよりトラブルを起こさないかどうかなんですね。」
「主様は、その…、奔放な方ですからね。」
困った様に笑う五虎退の頭を、大倶利伽羅は静かに撫でる。
皆の様子に、三日月はくつくつと笑う。
「お主らも気になるであろう?レンの様子が。」
「気にはなるが…。何せ当の本人から置いてけぼりを喰らったからな。」
再び不貞腐れ始めた鶴丸に、まぁそう言うな、と宥めながら言葉を続ける。
「そこで、だ。七海がいる部署に突撃してみてはどうかと思ってな。」
にっこりと笑う三日月を、彼らは唖然と見返す。
七海がいる部署は、おそらく五稜郭ある。
それも、時の政府でも内部になろう。
「突撃、って…。事前連絡でも入れなければ入れない所だぞ?それも審神者同伴は必須だ。」
鶴丸は困惑気味に、三日月に返す。
「だから突撃するのだろう?」
「だったら転移はどうするんだ?こんのすけに手伝ってもらったとしても一人や二人が限度だぞ。それも肝心のレンがいないんじゃ神気がないじゃないか。」
大倶利伽羅も出来ないと言うように尋ねる。